江戸の残映
綺堂怪奇随筆選

著者
岡本綺堂・著/東雅夫・編
定価
2,860円(本体2,600円)
体裁
四六判並製、256頁
ISBNコード
978-4-7684-7993-3
発売日
2022年10月
在庫
有り

内容紹介

2022年に生誕150年を迎えた岡本綺堂は、旧幕臣の子として生まれ明治大正期に劇作家・小説家として活躍した。戯曲『番町皿屋敷』、小説『半七捕物帳』シリーズなどのほか江戸時代の奇譚を題材にした『三浦老人昔話』など江戸情緒にあふれる作品で親しまれている。本書はこの奇談の名手による珠玉の随筆・読物から、赤穂事件異聞や亡父の怪異体験、怪談芝居の裏話や近世随筆に見られる奇談など、江戸懐古と怪奇趣味に富んだ25編を精選して収録した。綺堂怪談の始まりを告げた「狸坂くらやみ坂や秋のくれ」の句を含む震災直後のエッセイも初復刻。

著者略歴

【著者】岡本綺堂(おかもと きどう)
1872年に旧幕臣の子として東京高輪に生まれ麹町で育つ。東京府立中学校卒業後、1890年に東京日日新聞社に入社、新聞記者として劇評などに健筆をふるう。その後、戯曲や小説を発表して好評を得る。新聞記者を辞めて以後、執筆に専念。代表作に戯曲『番町皿屋敷』、『修善寺物語』、小説『半七捕物帳』シリーズ、『三浦老人昔話』、『青蛙堂鬼談』など。1939年没。
【編・解説】東雅夫(ひがし・まさお)
1958年神奈川県生まれ。早稲田大学卒。アンソロジスト、文芸評論家。1982年より『幻想文学』編集長、怪談専門誌『幽』編集長を歴任。主な著書に、日本推理作家協会賞を受賞した『遠野物語と怪談の時代』(角川選書)、『百物語の怪談史』(角川ソフィア文庫)、『クダン狩り 予言獣の影を追いかけて』(白澤社)ほか、編纂書に『お住の霊 岡本綺堂怪異小品集』(平凡社ライブラリー)、『岡本綺堂 怪談文芸名作集』(双葉社)ほか多数がある。

目次

磯部の若葉
磯部のやどり
雨夜の怪談
思い出草
後の大師詣
甲字楼夜話
山霧
江戸の化物
人形の趣味
震災の記
地震雑詠
焼かれた夜
十番雑記
魚妖
猫騒動の怪談
桜姫と芋と狐と
四谷怪談異説
自来也の話
円朝全集
妖怪漫談
番町皿屋敷――「創作の思い出」より
夢のお七



解説(東雅夫)