裁かれた戦時性暴力
「日本軍性奴隷制を裁く女性国際戦犯法廷」とは何であったか

著者
VAWW‐NET ジャパン(編)/西野瑠美子・金富子(責任編集)
定価
2,860円(本体2,600円)
体裁
四六判・並製・320頁
ISBNコード
978-4-7684-7902-5
発売日
2001年10月
在庫
有り

内容紹介

彼女たちは「正義」を求めた。
二〇〇〇年一二月に、日本、東アジアの女性たちによる民衆法廷「女性国際戦犯法廷」が開催された。日本軍による「慰安婦」制度を裁くこの法廷は、被害女性たちの証言と審理ののち、昭和天皇裕仁の有罪と、日本政府の国家責任を認める判決を下した。この「法廷」の意味を、さまざまな角度から徹底分析する。

著者略歴

(※略歴は本書刊行時のものです。)
【編】VAWW‐NET ジャパン(バウネット・ジャパン)
正式名称「戦争と女性への暴力」日本ネットワーク(Violence Against Women in War-Network Japan)、代表:松井やより。
1997年秋東京で開いた「戦争と女性への暴力」国際会議をきっかけに、1998年6月正式発足。「慰安婦」問題、国家主義と軍事主義の問題、武力紛争と女性への暴力という3つの柱を軸に活動。2000年12月、「日本軍性奴隷制を裁く女性国際戦犯法廷」を被害国などとともに主催した。
【責任編集】
西野瑠美子(にしの るみこ)
1952年生まれ。ルポライター。VAWW-NET ジャパン副代表。日本の戦争責任資料センター幹事・研究員、中国人「慰安婦」裁判を支援する会共同代表。著書に『なぜ従軍慰安婦を記憶にきざむのか』(編著、明石書店)、『日本軍「慰安婦」を追って』(マスコミ情報センター)等。
金富子(キム プジャ)
1958年生まれ。関東学院大学非常勤講師。ジェンダー史・近代朝鮮教育史専攻。VAWW-NET ジャパン運営委員及び調査チーム。主な著書に『もっと知りたい「慰安婦」問題』(共著、明石書店)、シリーズ第3巻『「慰安婦」・戦時性暴力の実態㈵』(共編著、緑風出版)等。

目次

[巻頭]女性国際戦犯法廷フォト・ギャラリー/[巻末資料]「法廷」憲章/判決「認定の概要」
はじめに 松井やより
第 I 部 女性国際戦犯法廷という時空がもたらしたもの
   (執筆)ノーマ・フィールド/西野瑠美子/クリスチーヌ・チンキン/林 博史
第 II 部 ポストコロニアリズムとジェンダー
   (執筆)藤目ゆき/宋 連玉/金 允 玉・山下英愛訳/マーク・セルデン(野崎与志子訳)
第 III 部 司法からみた女性国際戦犯法廷
   (執筆)横田雄一/戸塚悦朗/東澤 靖
第 IV 部 女性国際戦犯法廷をめぐる言説/映像空間
   (執筆)吉見俊哉/西野瑠美子/北原 恵
第 V 部 思想的事件としての女性国際戦犯法廷
   (執筆)金 富子/鈴木裕子/高橋哲哉

書評/紹介情報

「図書新聞」2001年12月8日:「私たち自身の世界に対する見方が変る」
「週刊読書人」2001年12月14日「法廷を知る材料がここに」(評:本橋哲也 東京都立大学)