非戦と仏教
「批判原理としての浄土」からの問い

著者
菱木政晴
定価
2,420円(本体2,200円)
体裁
四六判上製、264頁
ISBNコード
978-4-7684-7911-7
発売日
2005年1月
ジャンル
在庫
電子書籍版のみ(販売開始2023年2月17日)

内容紹介

「殺してはならぬ、殺さしめてはならぬ」(ダンマパダ)を教義の一つとする仏教は、非戦・非暴力の宗教のように見えながら、実際には過去に戦争を賛美し殺し合いを強いてきた。戦争・紛争の止まない現代にあって、仏教は暴力を防ぐことはできないのか。
非戦・非暴力の視点から、改めて釈迦、親鸞の思想を捉え直すと同時に、今村仁司『清沢満之の思想』を題材に、清沢の思想と今村の暴力論を批判的に検証する。
電子書籍版:ISBN978-4-908660-02-3/販売価格2000円+税

著者略歴

菱木政晴(ひしき まさはる)〔*略歴は電子書籍版刊行時のものです〕
 1950年金沢市生まれ。宗教学者、真宗大谷派僧侶、元同朋大学特任教授。長年にわたり真宗大谷派の戦争責任を追及すると同時に政教分離訴訟などの平和と人権の市民運動にも関わる。著書に、『浄土真宗の戦争責任』(岩波ブックレット)、『解放の宗教へ』(緑風出版)、『市民的自由の危機と宗教──改憲・靖国神社・政教分離』、『ただ念仏して──親鸞・法然からの励まし』、『極楽の人数──高木顕明『余が社会主義』を読む』、『平和と平等の浄土論──真宗伝統教学再考』(以上、白澤社)など。共著に『殉教と殉国と信仰と──死者をたたえるのは誰のためか』(白澤社)。翻訳書に、ホワイトヘッド『観念の冒険』(松嶺社)など。

目次

第1章 近代ヒューマニズムと暴力
第2章 仏教は「苦しみ」からの解放をもたらすか──「解放仏教」試論
第3章 近代の日本と仏教思想──真宗大谷派の「近代教学」再検討
第4章 仏教は暴力を防げるのか──今村仁司『清沢満之の思想』を読む

書評/紹介情報

『出版ニュース』2005年3月中旬号「Book Guide」にて紹介
『佛教タイムス』2005年4月14日「本だな」コーナーで紹介