「皇国史観」という問題
十五年戦争期における文部省の修史事業と思想統制政策

著者
長谷川亮一
定価
4,180円(本体3,800円)
体裁
四六判上製、368頁
ISBNコード
978-4-7684-7923-0
発売日
2008年1月
ジャンル
在庫
品切れ

内容紹介

戦前の歴史観の代名詞「皇国史観」は、非科学的、独善的、排外的などとして、戦後しりぞけられてきた。しかし、そもそも「皇国史観」とは何であったのか? 誰が、何のために提唱し、普及させたのか?
本書は、「皇国史観」の成立と流布を、戦中に文部省が行なった修史事業に着目して再検証し、従来のイメージを一新。「皇国史観」の何が、いかに問題であるかを明らかにする。

著者略歴

長谷川亮一(はせがわ りょういち)(*本書刊行時の略歴です)
 1977年千葉県生まれ。2007年3月千葉大学大学院社会文化科学研究科(日本研究専攻)修了、博士(文学)。現在、千葉大学大学院人文社会科学研究科特別研究員。日本近現代史専攻。
 主な著作に、「近代日本における「偽史」の系譜」『季刊邪馬台国』第65号、「「偽史」と「皇国史観」のあいだ」『別冊歴史読本 古史古伝と偽書の謎』(新人物往来社)、「幻の日本領・中ノ鳥島をめぐるミステリー」『中央公論』2004年10月号、「アジア太平洋戦争下における文部省の修史事業と「国史編修院」」『千葉史学』第46号など。

目次

第1章 戦後における「皇国史観」をめぐる議論の展開
第2章 近代国体論の変容
第3章 「皇国史観」の提唱と流布
第4章 『国史概説』の歴史像
第5章 『大東亜史概説』の歴史像
第6章 国史編修事業と国史編修院

書評/紹介情報

『朝日新聞』2008年3月2日読書面「歴史認識の枠組を再考させる迫力」(評:赤澤史朗 立命館大学教授)
『同時代史研究』2009年第2号書評(評:佐久間俊明)
『信濃毎日』2008年3月9日付読書面ほか(評:成田龍一 日本女子大学教授)
『歴史学研究』No.858(2009.10)書評(評:今井修)