江戸怪談を読む
死霊解脱物語聞書

著者
残寿(ざんじゅ)[原著]、小二田誠二[解題・解説]、広坂朋信[注・大意]
定価
1,870円(本体1,700円)
体裁
四六判並製、176頁
ISBNコード
978-4-7684-7941-4
発売日
2012年7月
ジャンル
在庫
品切れ(2024/12/20増補版刊行)

内容紹介

近世の怪談で最も有名だったのは、「累ヶ淵」で知られる『死霊解脱物語聞書』だった。
近世初期の関東の農村で起きた死霊憑依事件。鬼怒川沿いの小さな村で何が起きていたのか、真相は何だったのか、いかなる決着を迎えたのか。
本書は、事件の当事者たちに取材してその顛末を再構成した『死霊解脱物語聞書』原文に注・現代語訳あらすじと解説を付して現代の読者に提供する本格江戸怪談。曲亭馬琴が小説化し、鶴屋南北が歌舞伎化し、三遊亭円朝が落語化した怪事件の記録がここによみがえる。

著者略歴

【解題・解説】小二田 誠二(こにた せいじ)
1961年生まれ。静岡大学人文社会科学部教授。専攻は日本言語文化。
主な論文に、「ニュース言語の江戸・明治」(『文学』2003-01)、「江戸戯作の「連載」構想」(『日本文学』2004-11)など。
【注・大意】広坂 朋信(ひろさか とものぶ)
著書に『東京怪談ディテクション』、『江戸怪奇異聞録』(以上、希林館)など。

目次

前口上 累ケ淵怪談について──繰り返される悲劇(広坂朋信)
解題 『聞書』を読まずして怪談を語る事なかれ!(小二田誠二)
死霊解脱物語聞書[原文と大意]
資料 『古今犬著聞集』巻第十二 幽霊成仏の事
解説 板本仏教説話のリアリティー──『死霊解脱物語聞書』再考(小二田誠二)

書評/紹介情報

『週刊読書人』2012年7月6日付(新刊欄)