近代日本公娼制の政治過程
「新しい男」をめぐる攻防・佐々城豊寿・岸田俊子・山川菊栄

著者
関口すみ子
定価
2,640円(本体2,400円)
体裁
四六判並製、240頁
ISBNコード
978-4-7684-7963-6
発売日
2016年9月
在庫
有り

内容紹介

近代日本ではなぜ「公娼」が容認されてきたのか?
 近代日本において公娼制は一貫して問題だった。これまで埋れてきたその政治過程に光をあて、公娼制の変遷を明らかにすると同時に、「娼妾の全廃」を掲げた佐々城豊寿、女子の教育を訴えた岸田(中島)俊子、廃娼と女性の労働問題を重視した山川菊栄をとり上げ、彼女らの公娼制問題をめぐる活動を浮き彫りにする。

著者略歴

関口 すみ子(せきぐち すみこ)
東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了、博士(法学)。法政大学元教授、専攻、ジェンダー史・思想史。
著書に、『御一新とジェンダー──荻生徂徠から教育勅語まで』(東京大学出版会、サントリー学芸賞〔2005年〕受賞)、『大江戸の姫さま──ペットからお輿入れまで』(角川選書)、『国民道徳とジェンダー──福沢諭吉・井上哲次郎・和辻哲郎』(東京大学出版会)、『管野スガ再考──婦人矯風会から大逆事件へ』(白澤社)、『良妻賢母主義から外れた人々──湘煙・らいてう・漱石』(みすず書房)など。

目次

第一章 近代日本における公娼制の政治過程──「新しい男」をめぐる攻防
第二章 雌鳥よ、夜明けを告げるな──佐々城豊寿と初期廃娼運動が直面した困難
第三章 湘煙とその時代──岸田俊子の実像を探る
第四章 山川菊栄と「公娼全廃」──『おんな二代の記』を中心に

書評/紹介情報

「出版ニュース」2016年11月中旬号 Book Guideで紹介