江戸怪談を読む
猫の怪

著者
横山泰子・早川由美・門脇大・今井秀和・飯倉義之・鷲羽大介・朴庾卿・広坂朋信
定価
2,200円(本体2,000円)
体裁
四六判並製、224頁
ISBNコード
978-4-7684-7966-7
発売日
2017年7月
ジャンル
在庫
有り

内容紹介

江戸時代の化け猫話といえば、講談で有名な鍋島の化け猫騒動があるが、いくつもある鍋島の化け猫物語の原型『肥前佐賀二尾実記』と、美女を救う猫の話「三浦遊女薄雲が伝」を原文と現代語訳で掲載。そのほか猫にまつわる江戸の随筆、民間伝承、芝居や映画を紹介する。
祟る猫・化ける猫・助ける猫・招く猫etcと、江戸怪談猫づくしの巻。

著者略歴

■横山泰子(よこやま やすこ)・前口上、第七章
1965年東京都生まれ。国際基督教大学教養学部卒、同大学大学院比較文化研究科博士後期課程修了。法政大学教授。主な著書に『江戸東京の怪談文化の成立と変遷』(風間書房)、『妖怪手品の時代』(青弓社)など。
■早川由美(はやかわ ゆみ)・第一章、第二章、コラム5
1959年愛知県生まれ。奈良女子大学大学院人間文化研究科博士後期課程修了。奈良女子大学博士研究員など。論文に「『吾嬬下五十三駅』考─猫騒動と天一坊物実録の利用─(『文学』2015年7月、岩波書店)など。
■門脇 大(かどわき だい)・第三章、第四章、コラム4
1982年生まれ。神戸大学大学院人文学研究科博士課程修了。専攻は日本近世文学。神戸星城高等学校ほか非常勤講師。論文に、「海の化物、海坊主──化物の変遷をたどる」(鈴木健一編『海の文学史』三弥井書店、所収)など。
■今井秀和(いまい ひでかず)・第六章
1979年東京都生まれ。大東文化大学大学院文学研究科博士課程修了。博士(文学)。専門は日本近世文学、民俗学、比較文化論。国際日本文化研究センター機関研究員。主な著書に『怪異を歩く』(共著、青弓社)など。
■飯倉義之(いいくら よしゆき)・第五章、おわりに
1975年千葉県生まれ。國學院大學文学部卒、同大学大学院文学科博士後期課程修了。國學院大學准教授。主な著書に『ニッポンの河童の正体』(新人物往来社、共著)、『日本怪異妖怪大事典』(東京堂出版、共編著)など。
■広坂朋信(ひろさか とものぶ)・コラム1
1963年東京都生まれ。東洋大学文学部卒。編集者・ライター。主な著書に『東京怪談ディテクション』(希林館・現在絶版)など。
■鷲羽大介(わしゅう だいすけ)・コラム2
1975年岩手県釜石市生まれ。国立宮城高専(現:仙台高専)電気工学科中退。ブロガー。2010年より「せんだい文学塾」運営委員会会長。
■朴庾卿(パク ユギョン)・コラム3
1978年生まれ。法政大学大学院修士課程修了。現在、同大学院博士後期過程。研究テーマは動物表象を中心とする日韓比較文化。論文に「韓国における猫の認識変化とその社会的・象徴的意味」など。

目次

第一部 佐賀鍋島の化け猫
 第一章 『肥前佐賀二尾実記』──鍋島化け猫伝説の原型
 第二章 御家騒動の怪猫
〈コラム1〉肥前白石・秀林寺の猫大明神──もう一つの佐賀怪猫伝説
第二部 江戸時代の怪猫談
 第三章 馬場文耕「三浦遊女薄雲が伝」──猫の報恩物語
 第四章 猫の報恩譚
 〈コラム2〉猫檀家──東北の猫怪談
 第五章 江戸の噂と怪猫──猫はなぜ喋るのか
 〈コラム3〉江戸怪談の猫──猫と狸と
第三部 怪猫をめぐる民間伝承・芸能
 第六章 猫は化けるが役に立つ──猫をめぐる民俗
 〈コラム4〉韓国の猫の話──「忠」の犬と「悪」の猫
 第七章 芸能史における「化け猫物」の系譜
 〈コラム5〉恋する猫──猫になりたい
〈おわりに〉福を招く猫

書評/紹介情報

西日本新聞 2017年8月17日夕刊「おすすめ本舗」で紹介
市報「うれしの」2017年10月号「おすすめ本」コーナーで紹介
HOSEI 3月号(法政大学、2019年3月)BOOKSコーナーで紹介