表象天皇制論講義
皇族・地域・メディア

著者
茂木謙之介
定価
3,740円(本体3,400円)
体裁
四六判上製、288頁
ISBNコード
978-4-7684-7976-6
発売日
2019年6月
ジャンル
在庫
有り

内容紹介

方法としての表象文化史を駆使した明快な天皇(制)論講義。本書は天皇だけではなく天皇の血のスペアとしての皇族に着眼。中央政界での皇族の姿だけでなく、津軽、宮城、秩父など地域社会における表象に中央の規範からの逸脱を指摘。さらに法維持暴力(ベンヤミン)の視点から、幕末から戦前、戦中、戦後を経て、平成のサブカルチャーまで、メディアにおける天皇・皇族表象を読み解き、表象の集積体としての天皇(制)に迫る。

著者略歴

茂木謙之介(もてぎ けんのすけ)
1985年、埼玉県生まれ。2009年東北大学文学部卒業。2011年東北大学大学院文学研究科博士前期2年の課程修了。2016年東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。日本学術振興会特別研究員を経て、2018年より足利大学工学部講師。専攻は日本近代文化史・表象文化論。現在の研究テーマは地域社会における皇族表象の検討を通した天皇(制)研究および〈幻想文学〉をキーワードとした日本近代文学・メディア史の研究。著書に『表象としての皇族 メディアにみる地域社会の皇室像』(吉川弘文館、2017)、編著に『怪異とは誰か』(一柳廣孝監修、青弓社、2016)など。

目次

序章 表象の集積体としての天皇(制)──方法と視座
第一章 天皇像の近世・近代・戦後
第二章 近代天皇像の形成と維持
第三章 行幸啓・「御成」という契機
第四章 〈御真影〉という装置
第五章 検閲というシステム
第六章 大衆社会とメディア消費──戦前・戦中期メディアのなかの皇族表象
第七章 僻地と国民国家──戦前期秩父における秩父宮の表象
第八章 危機と奇跡──天皇・皇族の「瑞祥」言説
第九章 〈人間天皇〉とその周辺──戦後皇族表象の連続性 
第十章 弱者と超越性──現代における天皇(制)表象

書評/紹介情報

『信濃毎日新聞』2019年7月14日(書評面)新刊コーナーで紹介