異世界と転生の江戸
平田篤胤と松浦静山

著者
今井秀和
定価
2,750円(本体2,500円)
体裁
四六判並製、240頁
ISBNコード
978-4-7684-7977-3
発売日
2019年10月
在庫
有り

内容紹介

少年たちの語る異世界とは何だったのか?
 天狗にさらわれた少年寅吉、生まれかわり勝五郎の聞き書きをした平田篤胤。多くの怪異を随筆に書いた松浦静山。二人の知識人は、少年たちの語る異世界に何を期待したのか。江戸後期の知識人のネットワークに着目し、彼らの怪異への関心の文脈を明らかにした。その怪異観に迫る。

著者略歴

今井 秀和(いまい ひでかず)
1979年、東京都生まれ。大東文化大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。専攻は日本近世文学、民俗学、比較文化論。国際日本文化研究センター機関研究員などを経て、大東文化大学非常勤講師、蓮花寺佛教研究所研究員。著書に『天狗にさらわれた少年 抄訳仙境異聞』(訳・解説、角川書店)、共著に『〈江戸怪談を読む〉皿屋敷』(白澤社)、共編著に『怪異を歩く』(青弓社)などがある。

目次

第一章 「仙境」とは何か──江戸の「異世界」調査録
第二章 『仙境異聞』と和漢の文献知識──寅吉の語りを構成するもの
第三章 『仙境異聞』と仏教──寅吉の出家を軸に
第四章 『勝五郎再生記聞』と日本人の転生観
第五章 流転する語りと聞き取り──『勝五郎再生記聞』における「聞き書き」
第六章 「口寄せ」と勝五郎の前世語り──憑依と転生の分水嶺
第七章 「幽冥の談」を言う者──松浦静山と平田篤胤
第八章 松浦静山の怪異観
第九章 松浦静山と平田篤胤──その差異と接点
終 章 異世界と転生の江戸

書評/紹介情報

『静岡新聞』2020年2月16日(BOOK):「怪異への知識人の様相」(評:石井正己 東京学芸大教授)
『神奈川新聞』2020年2月16日(読書面)新刊コーナーで紹介