最小の結婚
結婚をめぐる法と道徳

著者
エリザベス・ブレイク(著)/久保田裕之(監訳)/羽生有希・藤間公太・本多真隆・佐藤美和・松田和樹・阪井裕一郎(訳)
定価
4,620円(本体4,200円)
体裁
四六判・上製・384頁
ISBNコード
978-4-7684-7978-0
発売日
2019年11月
在庫
在庫あり

内容紹介

「結婚」を道徳的、政治的に徹底検証し、一夫一妻をはじめ、同性同士、複数の関係、友人関係、成人間のケア関係をも法の下に平等に認める「最小結婚」制度を提唱する。結婚をめぐるさまざまな議論に新たな一石を投じる書。

著者略歴

【著者】エリザベス・ブレイク(Elizabeth BRAKE)
オックスフォード大学出身、セント・アンドリュース大学で博士号を取得。カルガリー大学、アリゾナ州立大学を経て、2019年夏からライス大学の哲学教授。専門は、倫理学、応用倫理学、政治哲学、フェミニスト哲学、性と愛の哲学、LGBT哲学。本書Minimizing Marriageは、2014年アメリカ哲学協会ブック・プライズ特別賞を受賞している。
【監訳者】久保田裕之(くぼた ひろゆき)
日本大学文理学部社会学科教授。家族社会学、福祉社会学、政治哲学。著書に、『他人と暮らす若者たち』(集英社新書)、『家族を超える社会学──新たな生の基盤を求めて』(共著、新曜社)。訳書に、スーザン・オ―キン著『正義・ジェンダー・家族』(共訳、岩波書店)、エヴァ・キテイ著『愛の労働あるいは依存とケアの正義論』(共訳、白澤社)など。

目次

序──結婚と哲学
第Ⅰ部 結婚の脱道徳化
 第1章 結婚の約束──離婚は約束破棄なのか
 第2章 結婚にいかに献身するか──概念の手引き
 第3章 結婚、性行為、道徳
 第4章 愛する者への特別扱い──結婚・ケア・性愛規範性
第Ⅱ部 結婚の民主化
 第5章 結婚への批判──本質的に不正義な制度か
 第6章 結婚を定義する──政治的リベラリズムと同性婚論争
 第7章 最小結婚──政治的リベラリズムは婚姻法にいかなる影響を及ぼすのか
 第8章 最小結婚実現に向けた課題──貧困・財産・一夫多妻

書評/紹介情報

『週刊エコノミスト』(2020.1.7号)読書日記:「セクシュアリティー本2019年の収穫」(評:荻上チキさん)
『図書新聞』2020.4.25号「結婚の脱特権化を展開する:婚姻廃止論ではなく、最小結婚という代案を提示」(評:池田弘乃 山形大准教授)
『家族研究年報 No.45』2020.7「書評」(評:千田有紀 武蔵野大学教授)
『年報政治学2020-I号』「2020年度書評」(評:井上 彰先生)
『信濃毎日』2020.8.15読書面「社会的に合意できる結婚とは」(評:千野貴裕 早稲田大学准教授)
『ジェンダー研究』23号2020.10.1「書評」(評:山本千晶 フェリス女学院准教授)