カントの「噓論文」を読むなぜ噓をついてはならないのか
内容紹介
「真実を言うことは義務であるという道徳的な原則は、無条件的なもの、絶対的なものとしてと受け取られてしまうならば、あらゆる社会を不可能にしてしまうだろう」というフランスの思想家コンスタンの批判に対し、カントは「人間愛から噓をつく権利という、誤った考えについて」(通称「噓論文」)を書き、噓の禁止に例外はないと反論した。
本書は、現代の事象を例に嘘についての哲学的分析を行なったうえで、カントの「噓論文」を新たに翻訳し分析する。晩年のカントが鋭く提起した噓をめぐる思考実験の意味を気鋭の哲学者がわかりやすく解き明かす。
本書は、現代の事象を例に嘘についての哲学的分析を行なったうえで、カントの「噓論文」を新たに翻訳し分析する。晩年のカントが鋭く提起した噓をめぐる思考実験の意味を気鋭の哲学者がわかりやすく解き明かす。
著者略歴
【小谷英生(こたに ひでお)】
1981年生れ。群馬大学共同教育学部准教授。専門は哲学、倫理学、社会思想史。著書に『歴史を書くとはどういうことか: 初期近代ヨーロッパの歴史叙述』(勁草書房、2023年、共編著)。『悩めるあなたの道徳教育読本』(はるか書房、2019年、共著)など。共訳に、ハルトムート・ローザ『加速する社会 近代における時間構造の変容』(出口剛司監訳、福村書店、2022年)など。
【イマヌエル・カント(Immanuel Kant)】
1724年ケーニヒスベルク(プロイセン)生まれ。主著に『純粋理性批判』、『実践理性批判』、『判断力批判』、『永遠平和論』など。著作はすべて邦訳がある。1804年没。
1981年生れ。群馬大学共同教育学部准教授。専門は哲学、倫理学、社会思想史。著書に『歴史を書くとはどういうことか: 初期近代ヨーロッパの歴史叙述』(勁草書房、2023年、共編著)。『悩めるあなたの道徳教育読本』(はるか書房、2019年、共著)など。共訳に、ハルトムート・ローザ『加速する社会 近代における時間構造の変容』(出口剛司監訳、福村書店、2022年)など。
【イマヌエル・カント(Immanuel Kant)】
1724年ケーニヒスベルク(プロイセン)生まれ。主著に『純粋理性批判』、『実践理性批判』、『判断力批判』、『永遠平和論』など。著作はすべて邦訳がある。1804年没。
目次
第Ⅰ部 「噓」概念を整理する
第1章 噓とは何か
第2章 正直であれば何を言ってもよいのか
第3章 噓の害悪について
第Ⅱ部 カントの「噓論文」 解題と翻訳
第4章 カント「噓論文」解題
第5章 カント「人間愛から噓をつく権利という、誤った考えについて」(小谷英生訳)
第Ⅲ部 政治に対する道徳の優位
第6章 カントの反論
第7章 コンスタンの原理概念
第8章 道徳的な政治とは何か
第1章 噓とは何か
第2章 正直であれば何を言ってもよいのか
第3章 噓の害悪について
第Ⅱ部 カントの「噓論文」 解題と翻訳
第4章 カント「噓論文」解題
第5章 カント「人間愛から噓をつく権利という、誤った考えについて」(小谷英生訳)
第Ⅲ部 政治に対する道徳の優位
第6章 カントの反論
第7章 コンスタンの原理概念
第8章 道徳的な政治とは何か