江戸怪談を読む丹後変化物語と化物屋敷
内容紹介
暴れまわる一つ目入道、手の生えた蝙蝠、大蟹の化物、飛びまわる桶・大釜・諸道具、庭を転げまわる巨大な鞠、降りそそぐ石礫、現れては消える踊り子たち……。次から次へと襲いかかる妖怪変化に翻弄される武家屋敷の人々。やがて邪神に憑依された女の託宣で屋敷は狂騒状態に。怪異の原因を突き止めて退治するまでを描いた『丹後変化物語』の名場面を現代語訳。重要な部分は原文に注と解説を付けて掲載し、知る人ぞ知る江戸時代初期の奇書の全体像を紹介。
本書は『丹後変化物語』を中心に、日本各地に伝わる化物屋敷譚の紹介や解説を収録し、江戸怪談の典型の一つである化物屋敷へ読者を招く。
本書は『丹後変化物語』を中心に、日本各地に伝わる化物屋敷譚の紹介や解説を収録し、江戸怪談の典型の一つである化物屋敷へ読者を招く。
著者略歴
■氷厘亭氷泉(こおりんてい ひょーせん) [第一章]
千葉県生まれ。イラストレーター。妖怪に関する活動は日刊の『和漢百魅缶』や『妖界東西新聞』他、『大佐用』を毎月2回公開中。
著書に『日本怪異妖怪事典 関東』(笠間書院)、共著に『列伝体 妖怪学前史』(勉誠出版)、『広益体 妖怪普及史』(勉誠社)など。
■江藤 学(えとう がく) [コラム1]
京都府生まれ。京都府北部を中心に府内の妖怪伝承を収集している。ブログ『丹波・丹後の妖怪あつめ』にて京都府北部の妖怪を紹介中。
■今井秀和(いまい ひでかず) [第二章・第四章]
東京都生まれ。大東文化大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。専攻は日本近世文学、民俗学、比較文化論。共立女子大学文芸学部准教授。
著書に『天狗にさらわれた少年 抄訳仙境異聞』(訳・解説、角川書店)、『異世界と転生の江戸──平田篤胤と松浦静山』(白澤社)。共著に『〈江戸怪談を読む〉皿屋敷』(白澤社)、共編著に『怪異を歩く』(青弓社)など。
■三浦達尋(みうら たつひろ) [第三章]
福島県生まれ。東北大学文学部卒、同大学大学院情報科学研究科博士前期課程修了。
主な論文に、「近世怪異小説における「ろくろ首」の登場─『曾呂利物語』と『諸国百物語』の比較を通して─」(『ナラティヴ・メディア研究』第3号、ナラティヴ・メディア研究会)など。
■鷲羽大介(わしゅう だいすけ) [コラム2]
岩手県釜石市生まれ。「せんだい文学塾」代表。
著書に、『暗獄怪談 憑かれた話』『暗獄怪談 或る男の死』『暗獄怪談 我が名は死神』(竹書房怪談HO文庫)、『〈江戸怪談を読む〉猫の怪』『〈江戸怪談を読む〉皿屋敷──幽霊お菊と皿と井戸』(共著、白澤社)など。
■南郷晃子(なんごう こうこ) [コラム3]
神戸大学大学院総合人間科学研究科博士課程後期課程修了。博士(学術)。桃山学院大学国際教養学部准教授。
編著書に、共編『人はなぜ〈ミュトス〉を語るのか: 拡大する世界と〈地〉の物語』(文学通信)、「奇談と武家家伝──雷になった松江藩家老について」(東アジア恠異学会編『怪異学講義』勉誠出版)、など。
■広坂朋信(ひろさか とものぶ)ヒロサカ トモノブ [第五章]
東京都生まれ。東洋大学文学部卒。編集者・ライター。
主な著書に、『東京怪談ディテクション』(希林館・絶版)、『〈江戸怪談を読む〉実録四谷怪談』(白澤社)。共著に『〈江戸怪談を読む〉死霊解脱物語聞書』『〈江戸怪談を読む〉皿屋敷』など。
千葉県生まれ。イラストレーター。妖怪に関する活動は日刊の『和漢百魅缶』や『妖界東西新聞』他、『大佐用』を毎月2回公開中。
著書に『日本怪異妖怪事典 関東』(笠間書院)、共著に『列伝体 妖怪学前史』(勉誠出版)、『広益体 妖怪普及史』(勉誠社)など。
■江藤 学(えとう がく) [コラム1]
京都府生まれ。京都府北部を中心に府内の妖怪伝承を収集している。ブログ『丹波・丹後の妖怪あつめ』にて京都府北部の妖怪を紹介中。
■今井秀和(いまい ひでかず) [第二章・第四章]
東京都生まれ。大東文化大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。専攻は日本近世文学、民俗学、比較文化論。共立女子大学文芸学部准教授。
著書に『天狗にさらわれた少年 抄訳仙境異聞』(訳・解説、角川書店)、『異世界と転生の江戸──平田篤胤と松浦静山』(白澤社)。共著に『〈江戸怪談を読む〉皿屋敷』(白澤社)、共編著に『怪異を歩く』(青弓社)など。
■三浦達尋(みうら たつひろ) [第三章]
福島県生まれ。東北大学文学部卒、同大学大学院情報科学研究科博士前期課程修了。
主な論文に、「近世怪異小説における「ろくろ首」の登場─『曾呂利物語』と『諸国百物語』の比較を通して─」(『ナラティヴ・メディア研究』第3号、ナラティヴ・メディア研究会)など。
■鷲羽大介(わしゅう だいすけ) [コラム2]
岩手県釜石市生まれ。「せんだい文学塾」代表。
著書に、『暗獄怪談 憑かれた話』『暗獄怪談 或る男の死』『暗獄怪談 我が名は死神』(竹書房怪談HO文庫)、『〈江戸怪談を読む〉猫の怪』『〈江戸怪談を読む〉皿屋敷──幽霊お菊と皿と井戸』(共著、白澤社)など。
■南郷晃子(なんごう こうこ) [コラム3]
神戸大学大学院総合人間科学研究科博士課程後期課程修了。博士(学術)。桃山学院大学国際教養学部准教授。
編著書に、共編『人はなぜ〈ミュトス〉を語るのか: 拡大する世界と〈地〉の物語』(文学通信)、「奇談と武家家伝──雷になった松江藩家老について」(東アジア恠異学会編『怪異学講義』勉誠出版)、など。
■広坂朋信(ひろさか とものぶ)ヒロサカ トモノブ [第五章]
東京都生まれ。東洋大学文学部卒。編集者・ライター。
主な著書に、『東京怪談ディテクション』(希林館・絶版)、『〈江戸怪談を読む〉実録四谷怪談』(白澤社)。共著に『〈江戸怪談を読む〉死霊解脱物語聞書』『〈江戸怪談を読む〉皿屋敷』など。
目次
第一章 『丹後変化物語』(翻刻・注・口語訳・解題=氷厘亭氷泉)
第一節 『丹後変化物語』抄
第二節 解題 『丹後変化物語』と《変化物語》について
〈コラム1〉丹後地方に伝わる化物屋敷(江藤 学)
第二章 化物屋敷のウチとソト──『丹後変化物語』と『稲生物怪録』(今井秀和)
第三章 化物屋敷譚――『曾呂里物語』より(訳・解説=三浦達尋)
〈コラム2〉仙台の怪異屋敷──『仙台萩』より(鷲羽大介)
第四章 化け猫屋敷(今井秀和)
〈コラム3〉猪苗代の城化物──亀姫と堀主水(南郷晃子)
第五章 江戸の化物屋敷(広坂朋信)
第一節 『丹後変化物語』抄
第二節 解題 『丹後変化物語』と《変化物語》について
〈コラム1〉丹後地方に伝わる化物屋敷(江藤 学)
第二章 化物屋敷のウチとソト──『丹後変化物語』と『稲生物怪録』(今井秀和)
第三章 化物屋敷譚――『曾呂里物語』より(訳・解説=三浦達尋)
〈コラム2〉仙台の怪異屋敷──『仙台萩』より(鷲羽大介)
第四章 化け猫屋敷(今井秀和)
〈コラム3〉猪苗代の城化物──亀姫と堀主水(南郷晃子)
第五章 江戸の化物屋敷(広坂朋信)
書評/紹介情報
2024/11/29「京都新聞」(丹後中丹)地域面記事「「丹後変化物語」現代語訳出版 江戸期・田辺城下舞台 まちおこしの契機に」(秋田久氏記者)