江戸怪談を読む
死霊解脱物語聞書〔増補版〕

著者
原著者:残寿/解説・解題:小二田 誠二/増補版解説:松浦 だるま/現代語訳・注:広坂 朋信
定価
2,420円(本体2,200円)
体裁
四六判並製、192頁
ISBNコード
978-4-7684-8004-5
発売日
2024年12月
ジャンル
在庫
有り

内容紹介

近世初期の関東の農村で起きた死霊憑依事件。その真相は何だったのか、この憑霊事件を僧・祐天はどのように解決したのか。
本書は、事件の当事者たちに取材してその顛末を再構成した『聞書』原文に注・現代語訳あらすじと解説を付して現代の読者に供する本格江戸怪談。曲亭馬琴が小説化し、鶴屋南北が歌舞伎化し、三遊亭円朝が落語化した怪事件の記録がここによみがえる。『累-かさね-』の作者松浦だるま氏による解説を増補。
【旧版】ISBN978-4-7684-7941-4

著者略歴

■残寿(ざんじゅ)
生没年不詳。江戸時代の僧侶。
■小二田 誠二(こにた せいじ)
1961年生まれ。静岡大学人文社会科学部教授。専攻は日本言語文化。
主な論文に、「ニュース言語の江戸・明治」(『文学』2003-01)、「江戸戯作の「連載」構想」(『日本文学』2004-11)、「物語としての『おくの細道』」(『文学』2007-1・2)、「真実は虚構であること」(『日本文学』2012-01)、「溜飲の下げ方:『天一坊実記』試論」(『文学』2015-7・8)など。
■松浦 だるま(まつうら だるま)
漫画家。2013年に『イブニング』(講談社)掲載の『累 -かさね-』で連載デビュー。現在『ビッグコミックスペリオール』(小学館)にて『太陽と月の鋼』連載中。
■広坂 朋信(ひろさか とものぶ)
東京都生まれ。東洋大学文学部卒。編集者・ライター。

目次

前口上 累ケ淵怪談について──繰り返される悲劇(広坂朋信)
解題 『聞書』を読まずして怪談を語る事なかれ!(小二田誠二)
死霊解脱物語聞書(翻刻=小二田誠二、注・現代語訳=広坂朋信)
資料 『古今犬著聞集』巻第十二より 幽霊成仏の事その他
解説 板本仏教説話のリアリティー──『死霊解脱物語聞書』再考(小二田誠二)
コラム 原著者・残寿のこと
増補版解説 累と〝菊〟(松浦だるま)