シティズンシップの教育思想

著者
小玉重夫
定価
1,980円(本体1,800円)
体裁
四六判並製、184頁
ISBNコード
978-4-7684-7906-3
発売日
2003年11月(2017年8月第11刷)
在庫
有り

内容紹介

〈市民(シティズン)〉のあり方を思考する「シティズンシップ」をキー概念として、プラトン、ソクラテスから現代までの教育思想史を読み直し、混迷する教育改革議論に哲学のメスを入れる。教育学の最前線で行なわれている議論をわかりやすく紹介。国民教育からあたらしい公教育の思想へ、〈市民〉への教育を構想する教育学入門。

著者略歴

小玉重夫(こだま しげお)〔*略歴は11刷刊行時のものです〕
 1960年生まれ。東京大学法学部卒。東京大学大学院教育学研究科博士課程修了。慶應義塾大学、お茶の水女子大学を経て、現在、東京大学大学院教育学研究科教授。博士(教育学)。
 著書に『教育改革と公共性 ボウルズ=ギンタスからハンナ・アレントへ』(東京大学出版会)、『教育学をつかむ』(木村元・船橋一男との共著、有斐閣)、『学力幻想』(ちくま新書)、『岩波講座 教育 変革への展望 第1巻 教育の再定義』(共編著、岩波書店)、『難民と市民の間で——ハンナ・アレント『人間の条件』を読み直す』(現代書館)、『教育政治学を拓く——18歳選挙権の時代を見すえて』(勁草書房)、など。

目次

プロローグ いま、なぜシティズンシップか
第1講 教師に哲学は必要か
第2講 プラトンの絶望と「総合的な学習の時間」
第3講 ソクラテス的センス
第4講 啓蒙的理性と教師像
第5講 シニシズムという問題
第6講 啓蒙の別の顔
第7講 ルソーと近代教育
第8講 国民教育と市民
第9講 近代的個人の形成と再編
第10講 マルクス主義の逆襲
第11講 児童の世紀とユートピア主義
第12講 過去と未来の間に立つ
エピローグ シティズンシップの再政治化へむけて

書評/紹介情報

『朝日新聞』2004年1月4日(読書面)「異質な「他者」との関係を築くために」(評:苅谷剛彦 東京大学教授)
『論座』2004年2月号「Book」コーナー:「教育改革論議に哲学からアプローチ/何のために教育をするのか」(評:宇井純 沖縄大学名誉教授)
『月刊 学校教育相談』2004年2月号(ほんの森出版)
『週刊 金曜日』2004年1月30日:「教育改革論議に哲学の雌を入れる」(評:ジャーナリスト 天野一哉)
『教育新聞」2004年3月29日「政治的判断力を養う」(評:ジャーナリスト 天野一哉)