翻訳がつくる日本語
ヒロインは「女ことば」を話し続ける

著者
中村 桃子
定価
2,200円(本体2,000円)
体裁
四六判並製、208頁
ISBNコード
978-4-7684-7951-3
発売日
2013年8月
ジャンル
在庫
在庫僅少

内容紹介

ヒロインたちは強くなっても「女ことば」を話し続ける!?
 女らしい「女ことば」を話し続けているのは、日本人女性ではなく洋画のヒロインたちだった!? そして、洋画のヒーローたちは、日本人男性が話さない「男ことば」を、キザに、気さくに話し、名作の黒人たちは「方言」で話している。翻訳ことばが気になってしかたがなくなる、新しい視点の日本語論。

著者略歴

中村 桃子(なかむら ももこ)
関東学院大学教授。博士。専攻は言語学。
著書に、『ことばとフェミニズム』『ことばとジェンダー』(以上、勁草書房)、『「女ことば」はつくられる』(ひつじ書房)、『〈性〉と日本語──ことばがつくる女と男』(NHKブックス)、『女ことばと日本語』(岩波新書)ほか。共著にJapanese Language, Gender, and Ideology (Oxford University Press)、The Language and Sexuality Reader (Routledge)、『連続講義 暴力とジェンダー』(白澤社)、『ジェンダーで学ぶ言語学』(世界思想社)ほか。訳書に、『ことばとセクシュアリティー』(D・カメロン&D.クーリック著、三元社)ほか。

目次

第Ⅰ部 翻訳の不思議
1 西洋ヒロインは「女ことば」を話し続ける/2 西洋の若者は「気さくな男ことば」で語る/3 黒人が話す「方言」
第Ⅱ部 翻訳を考える
4 言葉づかいとアイデンティティ/5 翻訳が支える日本語らしさ──「女ことば」/
6 翻訳がつくりだす他者のことば──「男ことば」/7 翻訳が再生産する差別──「方言」の場合
第Ⅲ部 翻訳から変わる日本語
8 親疎で使い分ける「女ことば」と「標準語」/9 女性らしさだけじゃない「女ことば」/10 一九七〇年代洋画字幕に見る強い女の「女ことば」/11 翻訳を楽しむ

書評/紹介情報

『日本経済新聞』2013年8月11日(読書面)新刊紹介コーナー
『西日本新聞』2013年8月27日夕刊「おすすめ本舗」コーナー
『朝日新聞』2013年10月13日付書評面(評:作家・三浦しおん)
『出版ユース』2013年10月下旬号 Book Guideコーナー
『ふぇみん』2013年11月5日 「書評」コーナー
『日本翻訳ジャーナルWeb』2014年5月9日 著者による紹介