憲法のポリティカ
哲学者と政治学者の対話

著者
高橋哲哉・岡野八代
定価
2,420円(本体2,200円)
体裁
四六判上製、256頁
ISBNコード
978-4-7684-7958-2
発売日
2015年3月
ジャンル
在庫
有り

内容紹介

 戦後70年の節目の年に、日本社会に民主主義と平和主義の種を植えてきた平和憲法を廃棄しようとする企てが現実化しつつある。
 改憲問題を通して見えてくる日本社会の危機を、哲学者と政治学者が法律論とは異なるアプローチで語りあったロング対談。自民党改憲案をはじめ、死刑、天皇制、マイノリティの権利、人道的介入の是非など憲法をめぐるさまざまな問題の核心に、護憲か改憲かの枠組みを越えて斬り込む。

著者略歴

■高橋 哲哉(たかはし てつや)
 1956年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科教授。専攻は哲学。
 主な著書に『逆光のロゴス──現代哲学のコンテクスト』(未来社)、『記憶のエチカ──戦争・哲学・アウシュヴィッツ』(岩波書店)、『デリダ──脱構築』、『戦後責任論』(講談社)、『反・哲学入門』(白澤社)、『教育と国家』(講談社現代新書)、『靖国問題』(ちくま新書)、『国家と犠牲』(NHKブックス)、『犠牲のシステム 福島・沖縄』(集英社新書)など。
■岡野八代(おかの やよ)
 1967年生まれ。同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科教授。専攻は西洋政治思想史、フェミニズム理論。
 主な著書に『法の政治学──法と正義とフェミニズム』(青土社)、『シティズンシップの政治学──国民・国家主義批判』(増補版、白澤社)、『フェミニズムの政治学──ケアの倫理をグローバル社会へ』(みすず書房)。訳書にエヴァ・キティ『愛の労働あるいは依存とケアの正義論』(監訳、白澤社)、アイリス・ヤング『正義への責任』(共訳、岩波書店)など。

目次

【Ⅰ】改憲問題と立憲主義
 1 なぜ憲法問題に関わるようになったか
 2 「安倍的なもの」
 3 (自民党憲法草案)これは憲法ではない
【Ⅱ】日本国憲法九条をめぐる問題
 1 立憲主義には九条こそが似合う
 2 戦争と天皇制
 3 憲法問題としての沖縄
 4 九条を無効化する集団的自衛権の行使容認
【Ⅲ】憲法をめぐる思想的課題
 1 人道的介入のジレンマ
 2 死刑の論理と憲法
 3 誰が憲法をつくるのか
 4 日本国憲法一〇〇年の市民革命

書評/紹介情報

『福島民報』2015年4月18日(読書面)「変革の立場で護憲論」(評:村田尚紀 関西大学教授)
『京都新聞』『神奈川新聞』2015年4月26日(読書面)
『京都民報』2015年4月26日(読書面)「「壊憲」に対峙し、語り尽くす」(評:中里見博 徳島大学准教授)
『出版ニュース』2015年5月上旬 Book Guideで紹介
『ふぇみん』2015.05.05 書評コーナーで紹介
『沖縄タイムズ』2015年6月20日(読書面)「未来奪う力に対話で抗う」(評:高良沙哉 沖縄大学准教授)