よい教育とはなにか
倫理・政治・民主主義

著者
ガート・ビースタ[著]、藤井啓之・玉木博章[訳]
定価
2,420円(本体2,200円)
体裁
四六判並製、208頁
ISBNコード
978-4-7684-7960-5
発売日
2016年1月
ジャンル
在庫
有り/電子書籍有り

内容紹介

学力調査などのエビデンスはよい教育に結びついていない。成果主義に基づく学力幻想から脱却し、教育にとって最も重要な「よい教育とはなにか」を問うことの意味を、アーレント、リンギス、ランシエールらを参照しながら民主主義的次元への関心とともに明らかにする。18歳選挙権の時代の日本の教育の民主主義的発展にとって重要な示唆を与える、教育関係者必読の書。

著者略歴

【著者】ガート・ビースタ(Gert J. J. BIESTA)
1957年、オランダ生まれ。ライデン大学で学位取得後、イギリス・スターリング大学ほか、オランダ、ルクセンブルク、ノルウェー等多くの国で教授、客員教授を歴任し、現在、ロンドン・ブルネル大学教育学部教授。主著にBeyond Learning(Paradigm Publishers)、共編著にThe Philosophy of Education(同)などがある。邦訳された著書に『民主主義を学習する――教育・生涯学習・シティズンシップ』(上野正道、藤井佳世、中村(新井)清二訳、勁草書房、2014)、『教えることの再発見』(上野正道監訳、東京大学出版会、2018)がある。
【訳者】
藤井啓之(ふじい ひろゆき)
1964年生。広島大学大学院博士課程後期単位取得退学。修士(教育学)。愛知教育大学勤務を経て、現在、日本福祉大学教授。専門は、教育方法学(生活指導論、道徳教育論、ドイツの暴力防止教育など)。著書に『新しい時代の生活指導』(共著、有斐閣)、『2008年版 学習指導要領を読む視点』(共著、白澤社)、『学びのディスコース』『PISA後のドイツにおける学力向上政策と教育方法改革』(ともに共著、八千代出版)等。
玉木博章(たまき ひろあき)
1983年生。愛知教育大学大学院修士課程修了。修士(教育学)。中学・高校での勤務を経て、現在、中京大学、愛知県立総合看護専門学校ほか非常勤講師。専門は、生活指導論、若者文化論など。著書に『部活動改革2.0文化部活動のあり方を問う』(共著、中村堂)、論文に「シティズンシップ教育とキャリア教育の連関に関する一考察:G.ビースタの理論に基づいた主体的シティズンシップのために」(『シティズンシップ教育研究第1号』所収)、「せつなに蝕まれる子ども達:若者文化の教材化を通じて」(『生活指導No.695』明治図書、所収)等。

目次

はじめに──教育における目的の問題について
第1章 教育は何のためにあるのか?
第2章 エビデンスに基づいた教育──科学と民主主義のはざま
第3章 教育──説明責任と応答責任のはざま
第4章 中断の教育学
第5章 デューイ以降の民主主義と教育
第6章 教育、民主主義そして包摂の問題
おわりに──「学習の(諸)目的」

書評/紹介情報

『出版ニュース』2016年3月中旬号 Book Guideで紹介
『図書新聞』2016年06月11日:「新しい教育思想の誕生」(評:藤井佳世 横浜国立大学准教授)