母の憶い、大待宵草
よき人々との出会い

著者
古川佳子[著]/田中伸尚[跋]
定価
2,860円(本体2,600円)
体裁
四六判並製、256頁
ISBNコード
978-4-7684-7970-4
発売日
2018年3月
ジャンル
在庫
有り

内容紹介

著者は、箕面の忠魂碑移設に公費を支出するのは違憲だとして起こした住民訴訟の原告兼事務局の一人。そこには、戦争末期に相次いで戦死した二人の息子を〈是れに増す悲しき事の何かあらん亡き児二人を返せ此の手に〉と生涯忘れることがなかった母の憶いがあった。地裁で画期的勝訴となったのち、「普通の主婦」だった著者は怒濤の日々を送ることになるが、そのなかで出会った、いまは亡きよき人々との交流を描いた感動のエッセイ。ドキュメンタリー作家・田中伸尚さんが跋文を寄稿。

著者略歴

古川佳子(ふるかわ よしこ)
 1927年大阪生まれ、二男三女の次女。兄二人は戦争末期に相次いで戦死。46年古川二郎と結婚し、二男一女を育てる。箕面の自宅近くの忠魂碑移設について、神坂夫妻の呼びかけで夫とともに違憲訴訟の原告の一人となる。82年の地裁判決での画期的勝訴ののち、怒濤の日々を過ごす。出会ったよき人々との交流を『反天皇制市民1700』に15回連載し、本書となる。

目次

第一章 父、小谷謙蔵のこと
第二章 母、小谷和子のこと
第三章 母、和子の戦後
第四章 夫、古川二郎のこと
第五章 ランソのヘイ、松下竜一さんのこと
第六章 箕面忠魂碑違憲訴訟、神坂哲・玲子夫妻のこと
第七章 「紡ぎ人」伊藤ルイさんのこと
第八章 啖呵きる短歌を詠う三木原ちかさんのこと
第九章 「戦死ヤアハレ」、竹内浩三さんのこと
第十章 忠恕のひと、井上とし枝さんのこと
跋 過去が朝 くる前に(田中伸尚)

書評/紹介情報

「ふぇみん」2018年7月5日号で紹介:「反天皇、反靖国 人生を支え、導いた「よき人々」」
「週刊金曜日」2018.06.08(1187号)「憲法を求める人びと」欄:著者古川佳子さんを紹介(文:佐高信)
「わだつみのこえ」149号(2018年11月)書評で紹介(評:永野 仁)