新敬語「マジヤバイっす」
社会言語学の視点から

著者
中村桃子
定価
2,420円(本体2,200円)
体裁
四六判並製、224頁
ISBNコード
978-4-7684-7979-7
発売日
2020年3月
ジャンル
在庫
有り

内容紹介

「そうっすね」「マジっすか」など、体育会系の若者ことばと言われる「っす」言葉。男子大学生たちの会話、ウェブサイトの書き込み、テレビCMでの「っす」言葉の使われ方を分析し、単なる若者言葉だとみなされている「っす」言葉が実にさまざまな表現を担っていることを社会言語学の視点から明らかにする、初の「っす」言葉研究書。

著者略歴

中村桃子(なかむら ももこ)
関東学院大学教授。博士。専攻は言語学。
著書にGender, Language and Ideology: A Genealogy of Japanese Women’s Language (John Benjamins)、『翻訳がつくる日本語──ヒロインは「女ことば」を話し続ける』(白澤社)、『女ことばと日本語』(岩波新書)、『「女ことば」はつくられる』(ひつじ書房、第27回山川菊栄賞受賞)、『ことばとフェミニズム』(勁草書房)ほか。共著にThe Handbook of Language, Gender, and Sexuality (Blackwell),『連続講義 暴力とジェンダー』(白澤社)、『ジェンダーで学ぶ言語学』(世界思想社)ほか。訳書に『ことばとセクシュアリティ』(三元社)ほか。

目次

第1章「ス体」という言葉づかい──形成過程・言語要素・イデオロギー
第2章 男子大学生の「ス」の使い方──親しい丁寧さ
第3章 メディアのことば──ことばの表象と社会変化
第4章 「ス」は丁寧語じゃないっす──ウェブサイト『発言小町』における評価
第5章 男性がテレビCMで使う「ス体」──主導的男性性の揺らぎと維持
第6章 女性がテレビCMで使う「ス体」──新しい女性性の創造?

書評/紹介情報

『日本経済新聞』2020年4月11日(読書面)「あとがきのあと」コーナー:「「っす言葉」が人間関係を調整」
『サンデー毎日』(サンデーライブラリー)「サブカル本の真骨頂」コーナー:「〈丁寧さ〉より〈軽さ〉が求められる時代のことば」(評:武田砂鉄)
『朝日新聞』2020年5月23日(読書面)「著者に会いたい」コーナー:「語尾の「す」って何すか?」
『読売新聞』2020年7月26日(読書面):「敬意と親しみのことば」(評:飯間浩明 国語辞書編纂者) ほか多数