婚姻時の夫婦同氏強制への問題が国連女子差別撤廃委員会によってたびたび指摘されてきましたが、2024年10月に四回目となる勧告が出されました。
「女性が婚姻後も婚姻前の姓を保持できるようにするために、夫婦の氏の選択に関する法規 定を改正する。」
(内閣府 https://www.gender.go.jp/international/int_kaigi/int_teppai/pdf/report_241030_j.pdf)
選択的夫婦別姓への法改正にはテコでも動かない自民党が、昨年の総選挙で過半数割れとなり、一方、経団連・経済同友会が選択的夫婦別姓制を求めています。また、昨年3月8日に札幌と東京で、第三次選択的夫婦別姓訴訟が起こされ現在係属中です。今後の国会の動きと別姓訴訟に注目です。
選択的夫婦別姓への反対・賛成の議論については、阪井裕一郎『〔改訂新版〕事実婚と夫婦別姓の社会学』で詳しく分析しています。この機会にぜひご一読ください。
ご好評いただいております『ケアするのは誰か?──新しい民主主義のかたちへ』(ジョアン・C・トロント著、岡野八代訳・著)の重版(六刷)が出来ました。
〈ケアに満ちた民主主義〉への変革を訴えるトロント先生と日本でのケア倫理の第一人者である岡野先生による共著本です。
訪問介護の介基本報酬を引き下げたり、高額療養費制度の負担上限額を引き上げようとしたりと、政府による施策は切実に支援が必要なところから切り捨てていっているようです。
ケア民主主義の入門書である本書は繰り返し読まれるべき本です。
本年も残すところわずかとなりました。
白澤社は、12月29日(日)から1月5日(日)まで年末年始のお休みとなります。 今年は新刊4点、品切れとなった書籍の増補版1点、電子書籍3点を刊行いたしました。 来年は、好評をいただいておりますJ.C.トロント・岡野八代『ケアするのは誰か?: 新しい民主主義のかたちへ』の重版から始まります。
よいお年をお迎えください。
岸見一郎『三木清『人生論ノート』を読む』が電子書籍になりました。
死とは何か、幸福とは何か。虚栄と名誉、怒りと憎しみ、人間の条件、愛と嫉妬など、人間だからこそ生じる問いに、哲学者はどう応えたか。長く読み継がれてきた三木清『人生論ノート』を、哲人・岸見一郎が読み解きます。
『〈江戸怪談を読む〉丹後変化物語と化物屋敷』を刊行いたしました。〈江戸怪談を読む〉シリーズ6冊目となります(氷厘亭氷泉・江藤 学・今井秀和・三浦達尋・鷲羽大介・南郷晃子・広坂朋信 著)。
田辺城下(現在の京都府舞鶴市)のさる武家屋敷に妖怪変化が次々と現われる『丹後変化物語』の名場面を原文と現代語訳で掲載。そのほか、ほぼ同時代の『曾呂里物語』に収められた化物屋敷譚、江戸時代中期の『仙台萩』より仙台の化物屋敷、化け猫屋敷、泉鏡花『天守物語』では姫路城の刑部姫の妹分として描かれた猪苗代城の亀姫様をめぐる複雑怪奇な歴史、江戸市中の化物屋敷譚を紹介・解説しました。
筆を持つ一つ目入道のイメージはこの『丹後変化物語』の絵が源だと言われています。
秋の夜長に化物屋敷譚。書店・オンライン書店にて絶賛発売中です。
品切れとなっておりました、佐々木聡著『復元白沢図──古代中国の妖怪と辟邪文化』の三刷が出来ました。
「賢君が徳を明らかにすること奥深ければ」出現するという神獣白沢。黄帝は万物の精魅(もののけ)に通暁していた白沢の膨大な知識を聞き取りそれによって民を精魅の禍から救ったという。
古代中国の辟邪呪術をつたえる幻の書『白沢図』を復元し文化史的意義を読み解く書です。